2013年10月20日日曜日

坂の上の花嫁

本を読みながら喫茶店で眠くなってしまって、あ、自分の家で眠れないっていうことか、とやっと気がついた。これを逃したらもうだめかもしれない、と思って、少し眠ることに決めた。次に目を開けたときは、すっかり夜になっていて雨が降り出していた。私、他にはどこでだったら眠れたっけ、もう全然だめだな、ということを考えているうちに帰るのが面倒になりかけたけれど、遅くなってもいいことはひとつもない、という一点だけを考え、集中して帰宅した。帰りにチョコレートケーキを買ったけれど、三分の一たべたところで気持ちわるくなってしまって冷蔵庫に入れた。おいしかったから明日たべる。ほうれん草は、今日も茹でられないまま終わった。家で食事もあまりしなくなってしまって、少し体重が減っている。身体をさわると、今までさわれなかった骨に当たる。

昼間に日ノ出町の急な坂スタジオで体験した『つれなくも秋の風』という演劇作品は本当にすばらしくて、そのすばらしさというのは、自分の目に映る景色を自分で再構成できる助けになるものが、きちんと自分の内面から湧いてくる、というものだった。演じることと信じることは似ている。 いささか古めかしい結婚観ではあったけれど、祝祭というのは、繰り返しの伝統の側面を持つから。でも、夜中に作品のことを思い出して泣いてるなんて、どういうことだろう。そして、この作品についてだったら、新しい書き方ができるかもしれないと思って、考えるのを止められなくなっている。
 
今は、あの子が送ってくれた遠い場所の写真を見ながら、行ったことがなくても郷愁を感じることってそういえばあるな、と思っている。

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