2015年12月20日日曜日

夜の電話

こんな時間に電話かけてくるのは君だけよ、と言いながら久しぶりの煙草に火をつける。君の言葉に耳を傾け、世界でいちばんドラマティックな愛の告白があるとしたら、きっとこういうのではないかしら、と思う。

君からの電話は二度と取らない。僕のひそかな決意は伝わらない。そう決めた時には、君と話す機会は永遠に失われた後だから。君の人生の中で、僕はいつでも都合よく呼び出せるおまけみたいなものだった。おまけから無視されることがあるなんて、軽く見ていた男が自分を救ってくれなくなることがあるなんて、君はびっくりしたかもしれないね。まあ、君ももう僕を忘れているとは思うけど、君のことを執念深く覚えてる女がいるから、彼女には気をつけたほうがいいな。

本当に、重要な時は絶対に電話を取るからね。私を信じて、掛けてきて。

どんなに君が途方に暮れても、君と話すことはもうないよ。そのことはとても残念なことだし、大きな損失かもしれない。でも僕はもう何とも思ってないし、何も感じることがない。

0 件のコメント:

コメントを投稿