2015年12月22日火曜日

褥瘡

薬で眠った夜の翌朝は、しゃっくりが出る。頭を振って起き上がり、のど元で鳴るまぬけな音を聞く。口を濯いで顔をあらって、冷凍庫からチョコレートミントバーを取り出す頃には、もう止まっている。

早足で追いかける。どうして並んで歩くことができなくなったのか今もわからない。後ろ姿を追って泣く。幸せにできなくてごめんなさい、と思う。幸せに、なんて傲慢さを押し付けたいくらい、あなたのことを好きだった。私のせいで嫌な思いをしないでほしいと思っていた。私の体のほとんどがあなたを愛しているけど、私の心の、あなたと重ならないほんの少しの部分が、私の半身を腐らせる。大丈夫、ほんの少しのはずだから、と思っていたのだ。腐るのは私だけなんだから、とも。

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