2014年5月26日月曜日

君はソラリス

久しぶりに飲もうと誘われたので、太陽くんと銀座に行った。太陽くんは私の職場の同期である。本が好きで、特に森博嗣と舞城王太郎が好きである事を私は知っている。私も太陽くんも、職場に他に友だちはあまりいない(たぶん)。

二人で飲み屋に行ってビールを飲んだ。最近の話をぽつぽつとして、沈黙の時間の方が時には長くなって、でもそれがいやだとは全く思わない。太陽くんはそういう友だちである。「普通の人は戻っておいでって言うだろうけど、僕は、戻りたくない場所には戻らなくていいよって言うよ」と言ってくれた。

彼は、積み重ねて何かが進歩していく事を非常に好む。今は毎日22時から23時、きっかり1時間、オンラインで英会話を勉強しているそうだ。合間にプールにも行く。上達のステップを組み立てて、ゴルフの練習もする。「出来ることなら陽には当たりたくない。窓辺に陽が射しているのを見るのは好きだけれど」と彼は言う。「名前のわりに暗い性格です」というのは、彼の自己紹介の時に用いられる印象的なフレーズだ。「どこか遠出をする事はあるの?」と訊いてみた。「どういう意味?」と訊き返されたので、「決まった行動範囲を逸脱することがあるかっていう事」と補足した。すると、普段は職場と家の往復で、休みの日も昼間はあまり家を出ない、という答えが返ってきた。私はちょっと考えて「じゃあ、7月に京急線に乗りにおいでよ」と誘ってみた。太陽くんはすぐに「行く」と言ってくれたので、夏の楽しみがまた一つ増えた。近いうちに今度は彼の出身大学がある街へ行こうという約束をして、今日は彼と別れた。

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