2015年1月24日土曜日

ダイヤのパヴェ

いつもポーチを持っている。従姉のハワイみやげで、ハイビスカスの形のアップリケがついたものだ。中身は指輪と今年の初詣で買った学業お守りで、気分と場面によって、ポーチから様々な指輪を出して付け替える。いつもは右手の薬指にダイヤモンドの指輪だけをはめているが、週に二回はもうひとつ出して、左手にもはめる。雨が降ってほしくない日は、稀代の晴れ女だった祖母の形見のサファイアの指輪を取り出す。そういう時は実際よく晴れる。

ごめん眠っていた、という言い訳を受け取って1時間、銀座で待ちぼうけていた。綺麗な指輪をたくさんはめた私は、デパートの宝飾品売り場を見て時間をつぶすこともできずに、こうして日記を書いている。こんなふうに遅刻されるのは初めてじゃない。そう、もちろん初めてじゃない。黙って我慢しながら、今はくちびるの皮をむいている。

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