2014年10月19日日曜日

スプートニクの軌道

まだあなたを知らない昔、きっと側をすれ違ったことがある。この人とかつていちばん近くにいたのはいつだろう、と想像する。かつて私とすれ違った中学生の君、高校生のあなた、会社に入ったばかりのあの人、劇場で働いていた彼と、長い年月を経て今こうして出会っていることが何だか楽しい。私はあの頃鬱屈にまみれた子どもで、男と上手く話せない処女で、気ままな旅人で、ひとりぼっちの観客だった。今、あなたと会えてうれしい。だからもっと、近くに来て。

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