2016年8月24日水曜日

ある日(初日)

新しいこころみとして、音楽を聴きながら眠ってみた。眠ることはできて、それはよかった。昨夜からの頭痛が続いていて、早起きがうまくいかなかった。Fが来て、やはりペースが乱されているのかもしれなかった。Fがいると心がひとりにならず、休まらない。それがいい時もあるし、うまく言えないのだけれど、今私は本当に静かに暮らしたいから、彼がそこにいるだけで放つ熱量に当てられるのかもしれなかった。朝ご飯をつくり、食べてから、喫茶を抜け出して少し休んだ。普通の幸せは遠いな、と思った。

きみが指を切る時はわかるよ、と言われた。気持ちがうわずっている、と言われて、それは違う、と思った。気持ちが落ち込んでいるから包丁を早く動かすのだ。それで指を切る。浮揚をあせっても仕方ないんだけど、出口がなくて包丁の切っ先にそれがあらわれてしまう。

エリエス荘の前の喫煙所に立っていて、風が止まったのを感じた。なるほど、ジャンボフェリーが港に入ると、海からの風が遮られる。それで、ライターがすんなり付くようになるのだ。

公演の初日にあわせておこなった喫茶の夜間営業はとても混雑した。氷や野菜がなくなって、途中で買い出しに行くことになり、ひとりで車を出した。道を歩いている観客、俳優がいたので、車のライトをそっと消して、峠を越えた。

0 件のコメント:

コメントを投稿