2014年7月21日月曜日

マニュアル・トランスミッション

魅惑的な耳を持つ女の子が出てくる小説が昔好きで、その女の子の名前はキキというのだった。「耳がきれいだ」と言われるのがそれ以来の夢で、髪を耳にかける時はいつも、そのことを考えている。

自転車に乗って家を出た。息も絶え絶えに渋谷にたどりつき、宝くじを10枚買ってすぐに帰り道についた。町中は乳母車や歩行者にあふれていて、何度もぶつかりそうになった。一度は避けきれずに転んだ。ブレーキが下手なのだ。急に強くかけるからスリップしてしまう。ゆっくりゆっくりスピードを落としながら、信号が変わるのをどうして待てないのだろう。

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