よく覚えてもいない夢の気配に心を削られ、身体が硬直して眠れなくなってしまった。誰も私の不安を解消してくれようとはしないし、わかっていて無視する。冷たい冬の明け方、死んでゆく湯たんぽのぬるさに触れて、信じたい人ほど信じられないのが悲しい。仕方がなく起きて別の部屋に移り、どうして自分は、ひとりの人とずっと眠り続けていくことができないんだろうと考えたりする。
もうずっと昔、住んでいた町の隣駅のホーム下で、白骨化した死体が発見された時のことをたまに思い出す。工事のついでに発見されたもので、工事がなかったらいつ見つかったかはわからない。今、私の足の下に死体が埋まっていたとしても、私はそれに気付くことができない。
0 件のコメント:
コメントを投稿