2015年3月1日日曜日

大型犬の看病

かつて大型犬は手術を受けた。もう数年前になる。生理のたびに、大きな身体から赤い血が垂れて、子どもを産めない年齢になってもなかなか閉経もせず(犬の更年期については私も不明な点が多いのだが)心配していたところだった。そこでかかりつけの獣医の英断により、子宮を摘出することになったのである。大型犬とはいえ、25kgしかない身体に手術は不安だった。寂しがりの大型犬が入院など出来るわけもないから、日帰りですぐに家に帰ってきた。毛を刈られた肌は鶏肉のようにざらざらで、かわいそうでおかしかった。麻酔が切れてからが大変で、大型犬はじっとテーブルの下で痛みに耐えており、ものすごく元気のない様子だった。私は不安のあまり、その夜は実家に泊まることにして、タオルケットと薄掛け蒲団を床に敷き、大型犬のそばで寝た。床は硬くて冷たくて、ちっとも眠れなかった。テーブルの下を覗き込むたび、少し荒い息をしている大型犬と目が合うので、優しく声をかけ、朝まで付き添った。その後、大型犬は順調に回復を見せ、今でもおっとり元気に暮らしている。私は大型犬のためなら、いつなんどきも、徹夜で世話をすることもまったく厭わない。

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