恋人にあてる手紙にもいろいろある。相手が自分にどんなに素晴らしく見えているかをのぼせたように書き連ねているものや、気を引きたいあまりに自虐的な自意識を並べて言い訳に終始してしまっているもの、自分が今何に関心があるかだけを書いているものなど。
めざとい母は「あなた顔が細くなっちゃって、どうしたの、食べてないの」と言った。熱っぽい顔で咳き込んであまり喋らない私に、遠縁の叔母は「うちの息子のお嫁さんがね、もともと細いんだけど、つわりで更に痩せちゃって、入院になっちゃって」と話しながら、私が今にも妊娠を打ち明けるのを待っているようだった。
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