2014年4月13日日曜日

年上の私の恋人

あとかたもなく定期入れをなくして一週間以上が経った。なくした場所は初音町の路地裏で、大した道幅も人通りもないのに、いっさい出てくる気配がない。定期券自体は、買い替えながらも何度もなくし、そのたびに駅に届けられて戻ってきていた代物なのだが、ついに、その神通力にも終わりが来たようだ。定期入れは、十八の春から12年使った。この春、何かの身代わりになってくれたと思うことにしている。代わりのプラスチック乗車券を買ったのだが、そのままポケットに入れていると翌日に持って出かけるのを忘れる。やはりパスケースが必要だ。まだ愛しているよ、という先代定期入れへの敬意を表して、次はどこか雑貨屋で思いつきでかんたんに買うのがいい。某駅にあるコーヒーショップに併設されている簡素な雑貨のセレクトを比較的信頼しているので、次に行くときに買うつもりだ。 

年上の私の恋人、という歌詞を口ずさみながら、まあでも別に、今、四十や四十五の男と寝たいとは思わないな、と思った。12から15ほど年の離れた男は大変魅力的だけれど、二十くらいのときに、そういう人と付き合って互いに教育しあうのが一番よい。見目よい男の旬は二十三で、基本的に男は三十九が勝負と信じる人生である。

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