リュカとクラウスが久しぶりに遊びに来た。何飲む?と訊くと、クラウスは「……かき氷」とぼそっと言ったが、夏が終わってかき氷の時期は過ぎていたため、彼の希望を叶えることはできなかった。クラウスには、かき氷のかわりに麦茶をあげた。まだ小さい彼がコップを顔にあてがって一生懸命飲んでいると、ずいぶんコップが大きく見えて何だかおかしい。彼らの遊び場の二階では女優が演劇の稽古をしていて、それを覗き見た双子の友だち(同じく8歳と思われる)は「エロすぎる」と言って、戸惑って退散してきた。何を見たのか知らないが、演劇というものはひそやかで淫靡な側面を持つのだと、彼らが知ってくれたのならとてもいい。
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