机の上を片付けられなくなってくると、混乱が極まるのも近いなと思う。化粧品、紅茶のティーバッグ殻、母校の同窓会会報、本、果物などが、秩序無く散乱している。気分は少し持ち直したが、これは先送りにすぎない。
母は私のどうしようもないさがを薄々見抜いており、ときどき釘を刺してくる。ねえあなた、誰か一緒に暮らしたい相手がいるんじゃないでしょうね。私は答える。そんな面倒くさいこと、私がいまさら処理できるわけないじゃない。母は、それならいいけど、と言ってまたコーヒーを淹れたり紅茶を飲んだりする。親子という機能が成熟し、双方向性を獲得していくにつれて、対話の面倒さは増していくばかりだ。生きることと同じくらい生活することも大切にしてほしい、と母はそのあと私に言って、私をひどく落ち込ませた。そんなことを母に言わせてしまうような自分の暮らしがむなしかった。
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