2016年6月23日木曜日

偽善の白

薬局で、女たちが処方箋を見てざわついており、いやなこともぜんぶ医師に説明して書いてもらったものに、何の文句があるのかと思う。私は普段、人になんにも期待しないから、クレームなど言ったことがないけれど、あまりに待たされるので、席を立って声をかけ、あからさまに不満の表明をした。白衣を着た女のひとりが、「不安にさせてごめんね」と何度も言った。「ごめんなさい」と言え、と思いながら首を振った。血を見るようなこともないくせに、なんで白衣なんか着る必要があるのかと思う。

雨の音を聞いて、でも雨かどうかは確かめないまま横になる。体が引きつれるほど寂しい。あなたの肌、あったかいからまた一緒に眠りたい。かつて書いた言葉を思い出す。相手に届いたかは知らない。肌が合う、という言葉のことは、その頃しみじみ考えた。何ごとも、返事がなければわからないのに、返事をくれない人ばかりで口惜しい。

私に、南の雨を心配する資格はもはやない。どんなに地が揺れ、山崩れても、思いを馳せることは許されない。

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