2013年11月10日日曜日
星の兆し
占星術師に呼ばれたので、会いに行った。「あなたがどうしてるかなと急に思って」と彼女は言った。そのあと誕生日から星を三つ導き出して、淡々と私の性質について語った。これまで多くの人に言われてきたことがほとんどだったが、新しいこともいくつか言われて、性格というのが時間を幾重にも上塗りしてできていくのがわかった。最後に彼女は骰子を振って、未来を少し見てくれた。
昨夜は池袋に行って、フェスティバル・トーキョーのオープニングを楽しんだ。たくさんの人に会えるというのは、やっぱり幸せだと思う。その人たちが自分を覚えていてくれるのは贅沢なことだ。お天気ひとつでお祭り気分はだいぶ減じてしまうけれども、くもりの寒い日も、11月らしくて陰気で私は大好き。
夜になって、どうしても食事をしないと、と思ったのでおかずとごはんとお味噌汁とつけものと野菜が一緒に出てくるものを頼んだ。たべ始める段階になって、何から手をつけるか、そもそもたべるために何から作業すればいいかわからなくなってしまい、とりあえず箸を持つ、ということはわかったが、何をどういう順番で、どのくらいの分量を口に入れるのか、という概念がしばらくわからなくなって参った。占星術師には、今日のあなたは顔がしろすぎるわ、と言われたし、それは初めて電車の中で席を譲ってもらったこと(そして驚いて断ってしまった)と無関係ではないだろう。あまりに青白い顔でよろよろしていたので妊婦などに間違われたのかもしれない。順番がわからなくなりながら、口に押し込んだ揚げものの衣で上あごがむけてしまった。弱った粘膜を舌で触りながら、舌の裏に今もある口内炎のことを同時に考えていた。
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