2013年12月8日日曜日

全て忘れない

仕事どうするの、と聞かれたので、具体的に予定を答えたあとに、今はチョコレート屋さんになりたい、と言ったら思いがけず、いいんじゃない、という答えをもらった。でも、自社チョコレートの理解のために、年に数回は工房で製菓を手伝わなくてはならないらしいので、そういう、職人との対話はちょっと怖い。今は怖いことがとても多くて、怖くないことと言えば演劇を観に行くことしかない。

そういうわけで、港町のカフェにまた行った。広がる風景と、生み出される音やシーンの全てにどうしようもなく幸福を感じて、このままの自分じゃいられない、という気持ちになり、その場で電話をかけて美容室を予約した。「しあわせ」なんていう単語を発話することは普段なかなかないけれども、今日はそう言っても差し支えないほどの日だったし、でも、それだっていつか忘れてしまうということが寂しくて泣けはしたけれど、怖くはなくなった。折り紙を折ったり、スコーンをたべたり、明るい日差しのもとで、私はしあわせだった。

髪を10センチ以上切ったあと、別の劇場に行った。舞台には髪の長い女優が出ていて、その肩にかかるうねりを見て一瞬後悔したけれど、どうせ切らなくても私という人間は後悔したに違いないわ、と思い直した。

今のはね、スリーポイントシュートが入ったような感じ、という表現を聞いて、それは結構適切な単語だな、と思った。大人になると、何でも集中とタイミングによる部分が大きくなるのだ。

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