2014年1月14日火曜日

粉と卵と砂糖とミルク

レジの横のバウムクーヘンに気づいたときには、もう会計を済ませてしまっていた。そう思うとバウムクーヘンがほしくて居ても立ってもいられなくなり、スーパーを出たあとにバウムクーヘンが買えるところは果たしてどこか、真剣に考え、数百メートル離れたコンビニの存在に賭けた。急ぎ足でコンビニに入り、うろうろと菓子売り場を探して、ちいさいバウムクーヘンの袋詰めを見つけたときのあの安堵感は何だったのだろう。でも今度から「好きなたべものは何ですか?」と聞かれたときに「アルフォートです」ではなくて、「バウムクーヘンです」と言うことに決めた。

「お前はもともと気持ちの浮き沈みが激しいからなあ」と、この前、上司は苦笑まじりに言ったのだった。いやな苦笑ではなくて、ちゃんと私を、長い間見てくれている人の苦笑であった。自分だけが知っている自分なんてほとんどなくて、だいたいのことは見透かされていると思ったほうがいい。私は表情に出やすいほうだし、読まれていないなんて思っているのは自分だけだった、という経験も多い。だけど、わかってもらってうれしい、というわけにもいかないのが根性曲がりなところである。

普通にたべているはずなのだが、体重計に乗ったらまた少し落ちていた。こんな数字は、中学生の頃以来ではないだろうか。昨日の成人式では、振り袖の子をひとりも見かけなかったけれど(近所しか歩かなかったからかも)私は二十歳のころが一番顔も丸くて、健康的な体つきだった。そこから少し細くなって、去年また少しやせて、そのやせ方も年のせいかはわからないけれども、鏡にうつる二の腕、背中などは、やはり三十路の馴染みかたをしてきているように思う。

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