明け方、どうも調子が悪いので薬箱をあさったらしい、という記憶がおぼろげにある。いまだに冬の羽毛ふとんを使っているので、重くて暑くて悪い夢を見るのだろうか。子どもが生まれたのだが、私はその子をひとりで育てる事にして、だけど子育ては忙しくて難しくて、彼(子どもは男の子だった)にミルクをあげる事を忘れてしまった。そうしたら子どもはどんどん小さくなって元気がなくなって、今にも死んでしまいそうになったのがもう本当に怖くて怖くて、慌ててミルクを作ってあげたけれど、温度が熱すぎたりするのを冷ますのがうまくいかず手間取って、そのあと子どもが元気になったかは覚えていない。妹や弟が子育てを手伝ってくれたようだったけれど、どちらかと言えば子どもを奪いに来る感じで私を支えてくれるふうではなかった。誰も味方がいない、という気持ちを味わいながら、一生懸命子どもを守った。でも、私は子どもにろくに栄養も与えられない母親で、その無力さたるや、起きて顔を両手で覆ってしばらく立ち上がる事もできない、しかし夢でよかった、と安堵する気持ちもある。そのうち記憶が断片的に甦ってきて、結局子どもを9歳になるまで育てたのだった、彼が(ひとまずは)生きながらえてくれて本当に嬉しかった、という事を思い出した。
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