2014年5月30日金曜日

薄いガーゼ

元気に見えるとしたら理由は明らかで、あの夜の言葉以外にはありえない。元気というのもおかしな話で、拠り所がある事が分かったから安心した、と言ったほうが適切かもしれない。ピンセットで一枚ずつ剥がしていって、やっと手にしたものでもあるような気がする。すがりもせず拒否する事もなく、生きていられたらいちばんいい。考えるたびに胸が痛む事はまだあるけれど、信じられるという事がこんなにも力になるのは驚異的だ。

そう思っていたら、またしても目の回るような事態に遭遇した。やっぱりここで生きて行くのは難しい。涙は涸れたので今は流れない。

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