ねむっている人の気配はすぐわかる。部屋の奥がぼうっと明るくて、その緑の光は息を吸うたびに濃くなり、吐くときには弱くなる。そういう静かな部屋で、先に起きているのが好きなのだ。
薬を飲んでねむると全く夢を見ない。気絶したように寝入ってしまい、生き返るように目を覚ます。夢を育てるにも日の光が必要で、この暗い部屋ではそれが叶わない。でも、めったに眠くならないので、眠い、と思っているときがこのごろうれしい。まだ眠くなれる身体を持っていることがよかったと思える。
お菓子を作るための粉と砂糖は買ってあって、あとはそれを混ぜて焼く時間を捻出するだけだ。あげたいと思う人々にしかあげない、という方針をつらぬいているので、私にとってバレンタインはいつでも楽しいし、まわりの人にもそうであってほしい。
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