2013年10月10日木曜日

明滅Ⅱ

台風が来ていたらしいけど、家にこもってカーテンを閉めていたので気づかなかった。後で人に教えられて、えっ、と言ったら、何で知らないの、という顔をされた。おかげで夜は空が綺麗で、この一年の間で一番よく見える、と思いながら星を見た。オリオン座と、一番明るいのはきっとシリウス、と思った。それよりは北に、カシオペア座(たぶん)も見つけた。子どものころに、星座図鑑を読み耽っていた思い出はあるが、見つけ方や星の距離や明るさよりも、星座の神話のページばかり見ていた記憶がある。乙女座デメテル(豊穣の女神)の娘、ペルセフォネが地獄の柘榴を4粒食べたので一年のうち4か月地獄の王のもとにゆかねばならず、母が悲しんで洞穴にこもるので、そのとき人間界は冬です、というような。

星の明滅を見ていると、川上弘美の『星の光は昔の光』と言うタイトルの短編を思い出す。どれくらい昔の光が届いているのかは、星座図鑑をまじめに読んでいなかったのでわからない。

好きな川沿いと、そうでもない川沿いがあって、好きな川沿いはそれぞれどこか似ているな、と思った。河岸に木が植わっているとか、その葉のしげり方くらいなのだが。

今日は誰とも電話もしなかったし、コンビニの人を除くと、一人の他人としか会話しなかった(冒頭に登場した台風の襲来を教えてくれた人)。このまま他人と会わなくなって、冗長な会話をするのが少なくなっていく生活になったらどうしよう、とちらっと思ったが、まあそれでもいいかな、と思って終わった。そのぶん考え事をする時間は長くて、週末、母校の文化祭に行きたいと思いついた。そんな時間があるかはわからないが、どうにかして、行きたい。そう思い始めたら、ますます行きたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿