2013年10月28日月曜日

This Is How You Lose Her

午前中、ごく親しい友人たちと行っている読書会をした。MN嬢は、書く人と編む人の合間にいる瞬間もあるのだけれど、TA嬢の編集者的な洞察はいつもながらすばらしく、本の読み方だけでなく、この世の見方までいつも変わるような心持ちがする。今日は、ドミニカ共和国の作家であるジュノ・ディアスの本を読んだ。ドミニカ共和国や隣国プエルトリコについて知りたいと思ってインターネットを検索すると、野球のことしか出てこないので、こんなにも狭い社会に暮らしていることにうんざりした。それなら、日本に忍者がいると思われているのも仕方ない。いくら技術が進歩して飛行機が遠くまで飛ぶようになったって、人間の身体と脳みそと想像力のサイズは変わらないのだ。それを思うとときどき、茫洋とした気分になる。

気分について詳述するのが、日本人の書く文章の特徴かもしれない、というのも今日の話題だった。確かに、自分の心情に関する記述をいっさい排除してみると、新潮クレストブックスのパスティーシュみたいな感じになることがある。自分に対する頓着の仕方は文体に如実にあらわれるし、文体そのものとさえ言ってもいい。

人と親密になる、怖がらずに関係を深める、というのはどういうことだろう。どこまで行ったら、何をしたら、怖がっていないことになるのだろう。でもそういう湿っぽさで、他人の来し方を解釈するのも嫌だ。私たちはいつも、事実と身体を重ねて年を取るしかない。 それこそ、過剰に感傷的になったりせず。

ひとつき後に引っ越しを控えて、当然ながら、ものを捨てるとか段ボールにつめたりとかしなければならないのだが、身体が動かない。眠れない日記を書いてもしかたないのだが、日中もいよいよ眠くなくなってきてしまったので困った。フェイシャルマッサージを受けていても意識が覚醒しきって冴えわたっていたので、もうリラックスのやり方が身体から抜け落ちてしまったようだ。

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