どうしようもないので、何が一番悲しいのか考えることにして、三日前のとある事件がやっぱり引っかかっているのだと思い至った。あそこから、私の妙な木の芽時が始まって収集がつかなくなっている、気がする。調子のいいはずの時期に、まるでホルモンバランスを崩したような不安定ぶりである。それを認めて、目の周りが落ちくぼむほどにさめざめ泣いて、最後のほうは泣くためだけに泣いて咽んだ。ここを生き抜くしかない、と思ってベッドから出て食事を作った。でもそれとこれとは話が別、と何度もつぶやいて、いろんな後悔が去来するのを感じていたけれど、もう涙は出なかった。
母は、悲しいときはこっそり人の靴を叩きつけたり玄関に投げつけるといいわよ、と物騒なことを言った。そんなことやってたの、と聞いたら可愛らしくうなずいた。そして、挫折や苦労を経た男の優しさは目に見えないから面倒だけれど、まっすぐ育った男というのも考えものよ、と言った。
私の持っている地球儀ではまだソビエト連邦が幅を利かせていて、もう何年前のものかもわからないのに色があせる様子もない。写真はマーガレット、パンジー、沈丁花、椿のつぼみ、木瓜、牡丹のつぼみ、ソビエト。
0 件のコメント:
コメントを投稿