2013年7月17日水曜日

東京と私

東京といえば今も昔も人の集まる場所で、それこそ故郷に恋人を置いて上京、なんてドラマもよくあること。だから東京には、誰かを置いてきた人はいても、置いていかれた人、というのはいないと思われているのではないか、と常々思っている。被害妄想だろうか。でも私ときたら、22歳の春頃から、東京に置き去りにされる経験を何度も何度も、しているのだ。18の春でないのがやはり学園都市東京ならではのタイムラグか。みんなみんな行ってしまうのね。私、独りぼっちね。私が置いていかれたことに気づく人も、この街にはいないのね。東京の小さな路地を行ったり来たりして私の見ている景色、誰かに教えてあげたいけど。

東大卒の人が何人かいる飲み会というのが最近あって、反射で「すごいですねえ」みたいな言葉も聞かれたのだけど、そんな中、東京の進学校から東大に入った人がぽろっと「本当にえらいのは県立のトップ高校から入った人ですよ。東京の学校から東大入るのは、そんな難しくない」と言ったので、私は顔を上げた。東京(京都とか大阪も)と他の地域では、受験のやり方も違うんだな、そういえば、と思った。私の大学にも県立高校から来た同級生はたくさんいて、彼らと、私立高校という概念をうまく共有できなかったことを、思い出した。その逆もしかりだ。私の県立高校のイメージは、恩田陸の『六番目の小夜子』。

東証と大証が今年から経営統合していて、昨日からシステム的にも統合された。大証に単独で上場していた銘柄のデータを全部東証に付け替える対応をして、その他細かいこともいっぱいやったけど、これでまた東証の時価データが巨大化するなあ、名証、札証、福証、あと大証のデリバティブなんてちっぽけなものだなあ、と思った。地方経済への影響はよくわからないけど、表向きは東証の国際競争力がアップするぜ、みたいなことだけが話題になっているのだった。時価総額ではたいしたことないけど、銘柄数(世界第三位になった)が何かの価値になったりするんだろうか。

昨日の帰り道、玄関先で迎え火を焚いている家を見た。東京のお盆は7月。私の家族も、帰ってきていることだろう。

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