帰り道に、安野光雅の展覧会に行った。皇居のお庭のお花の水彩画展である。写生をするときに彼という画家が何をしているかといえば、陰影をじっと眺めて写し取るということだ、というのがわかった。
私には大事な先生が何人かいるけれど、絵を教えてくれたY先生は中でもとても大切な人だ。中学と高校の間、好きな女の子と二人でその教室に通っていたのだが、自分が大学受験をするときにやめてしまった。そのとき先生は私にすみれの花の絵をくれた。17歳の私は、すみれという名前の女の子が出て来る小説に運命を感じていたところだったので、今に至るまで引っ越してもずっと、その絵を壁に飾っている。
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