2016年7月2日土曜日

Q&A

Q.眠っている間に、自分で知らない行動をしていることがあります。
A.意識障害が出る時、直前にフルーツ食べてない? 肝臓の取り込み機能を阻害してる可能性がある。ダイエットと同じで、眠る3時間前には何も食べないようにした方がいいよ。

Q.新しく処方された薬の効き方がガックリ意識を失う感じで、今までと違う気がして不安です。
A.睡眠導入剤には、眠るスイッチをオンにする薬と起きてるスイッチをオフにする薬があって、その新しいやつは後者なんだよね。だから効き方が違うって身体で感じるのは、感覚が鋭いと思うし、間違ってない。評判も悪くない薬だし、飲んでいい。

Q.今までの薬が効きにくいのです。
A.これは耐性ができやすい系統のものだから、しかたない。たくさん飲んでもぶっ倒れないっていうことはもう耐性ができてるってことだね。これじゃなくて、もう一つの方を大量服薬してたら昏睡してたかも。

Q.覚醒剤取締法と麻薬取締法は違うものなのですか。
A.覚醒剤取締法では医師の守秘義務が勝るので、入院患者が覚醒剤をやっていても医師は通報できないの。だから芸能人はバレそうになると「心労」で入院するでしょう。今回、奥さんの方は入院しなかったので、その時点でシロだってわかる。反対に、麻薬取締法はすぐ逮捕できる。覚醒剤は精神的依存なので、いきなりやめても死ぬことはない。でも麻薬は身体的依存を起こすから、急にやめさせると心停止して死んだりするの。

Q.麻薬って何ですか。
大麻とか、アヘンとかかな。

Q.麻薬を急にやめると心停止するのですか。
A.だから刑務所の医師とかがしっかりついて面倒を見る。

Q.刑務所にも医師がいるのですね。
A.相当変わり者だと思うけどね。ちなみに、医師免許を持ちながら銃の携行が許される職業は、自衛官と麻薬取締官だけ。麻薬取締官は、医師免許か薬剤師免許のどちらかを持っていなければなれない。

Q.それは知りませんでした。
A.相当変わり者だと思うけどね。

Q.引っ越しをしたいのですが。
A.医師国家試験には “Don’t問題” と呼ばれるものがあって、選択肢のうち絶対に選んじゃいけない種類の問題がある。500問あるうち、3問それを間違えてしまったら、どんなに他の設問ができていても国家試験には落ちる。あなたが今やろうとしていることは、たとえるなら “Don’t問題” のようなことで、医師としてそれを勧めたらすなわち国家試験に落ちるというレベルで、やっちゃダメ。俺は止めるよ。

Q.もともとの志望動機は何ですか。
A.若年性肺がんの子を救いたかったんだけど、勉強するにつれて、医師になれば救えるものではないとわかった。検査技術の向上や、行政の立場から小中学生に検査を義務づけるようにしないと、俺のやりたいことはできなかった。

Q.どの科の医師になりたいですか。
A.やっぱり時代を感じられるもの。1900年代初めは何と言っても抗生物質が熱かった。それから1990年代最後には白血病が治せるようになったのもエポックメイキングだった。心臓外科も、手術器具の進化とともに発展してきたからやっぱり時代を象徴してるよね。これからは再生医療だと思うけど、年配の研究者の中にはいまだにiPS細胞に懐疑的な人もいる。それは、自分が生きてる間にその技術が真に役立つ様子を目にすることができないという無意識の嫉妬から来てるんじゃないかと思う。

Q.医学が進歩すれば、HIVもいつか治るのですか。
A.治るよ。生き物であるかぎり、殺す方法は絶対にある。

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